「参政党なんか支持する人は頭が悪い」と批判する人もいるが…非常に短絡的な考えだ! 「参政党人気」の深層にある深刻な孤独の“正体”

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既成政党とは異なる政治参加のスタイル

両党が公職選挙法と政党助成法上の政党要件を満たして一躍国政政党となったこと自体かなりの衝撃を呼んだが、ともに「手作り」政党であったことやその政治参加のスタイルについては当初あまりスポットが当たらなかった。

従来の政党とは大きく異なり、一般の人々がブレーンやボランティア、あるいは立候補者としてかかわる距離が驚くほど近かったのである。れいわ新選組が「大きな組織や企業に頼らず、ボランティアの皆さまと政権交代を目指します」と党の公式ウェブサイトに書いていることは非常に重要だ。名実ともにボランティアが支持母体兼実働部隊になっており、生産者(プロデューサー)としての側面が強い。

同党のボランティア本部はボランティアの交流や学びの場を提供しており、地域ごとに定期的にイベントが行われ、無数のコミュニティが活動している。N国は、YouTubeを徹底的に活用し、支持層を広げていった特異な政党だが、ここにも金銭的な支援やボランティアを買って出る人々がインターネットを介して押し寄せた。

どちらの政党もプロシューマー(生産者=消費者)的な行動が推進力になっている。トフラーが論じた自助運動の拡大にも似て、人々は新進の政治運動というフィールドにおいて、生産者的な立ち位置を築こうとしたのだ。これは政治参画においては、主体性やコントロール、つまりは自律性の感覚を呼び覚ますことができる。

参政党は、キャッチフレーズにある通り「投票したい政党がないなら、自分たちでゼロからつくる。」であり、「DIY政党」を自称している。党名の英語の公式表記は「Party of Do It Yourself」である(党のYouTubeチャンネルはもともと「政党DIY」と名付けられていた)。運営においても、支部単位での活動を重視し、イベントや勉強会、選挙や候補者選び、政府への質問などを全国287の支部単位で党員が作る仕組みになっている。

日本記者クラブ主催の党首討論会で、参政党の一番の存在意義とは何かを問われた神谷氏は、「参加型の政党にしたということだ」と断言したほか、7月4日の街頭演説でも「手弁当で一生懸命、全国で手作りでやってきたのがわれわれ参政党」と強調している。

前出の女性は、新入党員歓迎会の席上、一人が立候補を表明し、党員による党内選挙を経て公認候補になる様子などを間近で見て、「ガッツリと国政に参加をしている実感」がわいたと述懐。「私は、正直ただ学ぶだけのオンラインサロン感覚で入りました。しかし、LINEなどの内容を読むごとに、お手伝いをしようと思いチラシ配りや、街頭演説のお手伝いも手弁当で行くようになりました」と述べている(前掲書)。

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