「参政党なんか支持する人は頭が悪い」と批判する人もいるが…非常に短絡的な考えだ! 「参政党人気」の深層にある深刻な孤独の“正体”

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「プロシューマー的な解決」

筆者は、そこにもっと積極的なアプローチを見いだす。近く発売予定の新著で詳しく取り上げるが、明らかに「プロシューマー的な解決」だからである。

プロシューマーとは、生産者(プロデューサー)と消費者(コンシューマー)を融合させた造語で、1980年代に未来学者として名を馳せたアルビン・トフラーが『第三の波』(徳岡孝夫監訳、中公文庫)で提唱した考え方だ。

トフラーは、第一の波の時代である農業革命では、人間は自分の生産した物を消費し、第二の波の時代である産業革命では、生産と消費が分離され、今日のような大規模な市場が発達したと解説する。

その次に訪れるとした第三の波とは、いわゆる情報革命のことであり、電子通信技術の進化などによって産業構造が転換し、ライフスタイルが変容することなどを論じたのだが、リモートワークなどを予見したことで知られている。

なかでも第三の波において重要とみなされているのは、モノやサービスを購入する消費者であると同時にそれらを自ら作り出す生産者でもある「プロシューマー(生産者=消費者)」の台頭である。

技術革新による医療の家庭化、心理的・社会的問題などを支援する自助運動の拡大、DIY産業の成長などの潮流を踏まえて、トフラーは、「どれを見ても、そこに消費者がはるかに密接に生産にかかわり合うパターンを認めることができる。この世界では、これまでのような生産者と消費者の区別は消え失せる」とした(同上)。

「れいわ新選組」「NHKから国民を守る党」(当時、以下N国)を嚆矢とする2019年以後の新興政党において、このような政治運動のプロシューマー(生産者=消費者)化がほとんど当たり前のようになってきている。

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