EDAの世界3大ベンダーのシノプシス、ケイデンス、シーメンスは、いずれも5月下旬のBISの通知に基づき、中国の顧客に対するEDAおよび関連技術の提供を停止していた。それが1カ月余りで再開に至った背景には、米中貿易交渉の進展がある。

アメリカと中国の代表団は6月9日から10日にかけてイギリスのロンドンで集中協議に臨み、双方の(先端技術や重要鉱物に関する)輸出管理緩和の枠組みに合意。その後も事務レベルで緩和実施の詳細についての協議を続けていた。
中国商務省の報道官は6月27日の記者会見で、「中国は(レアアースなどの)輸出管理物資の輸出許可申請を法に基づいて審査し、アメリカは(EDAの禁輸を含む)一連の対中規制措置を撤回する」と説明した。
3大ベンダーのシェア8割超
EDAは半導体の設計・製造に不可欠なソフトウェアツールであり、チップの機能設計、回路配置、テストなど(製造プロセスの川上から川下までの)さまざまな工程で使われている。

「中国のEDA市場ではシノプシス、ケイデンス、シーメンスの3大ベンダーが8〜9割のシェアを握っている。国産EDAの市場シェアは1割に満たない」
業界団体の振芯荟のチーフアナリストを務める張彬磊氏は、財新記者に対して現状をそう説明し、次のようにコメントした。
「国産EDAベンダーは個別のツールでは成果を上げつつあるが、まだ(製造プロセスの)全面的なカバーはできていない。同業者の買収や統合などを通じてより大きなプラットフォームを構築し、(不足している)能力を補完する必要がある」
(財新記者:杜知航)
※原文の配信は7月3日
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