トヨタ設計大革命で迫る“ケイレツ”解体

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 今後、異なる車種の間で部品の共通化が進めば、部品会社にとって受注機会はそれだけ減る。あるトヨタ系部品会社の首脳は「他社分を含めた受注に成功するか、失注するか、100かゼロかの勝負になる」と漏らす。

「4年後にはトヨタのモノづくりは変わったとわかってもらえる。系列はだいぶ変質する」(佐々木副社長)。デンソーのようにトヨタのグローバル化へ追随できる企業と、国内にとどまる企業との差が鮮明になる。中韓メーカーに敗れ、系列から脱落する企業も出てくるだろう。

実は今、トヨタ周辺では14年に発売される次世代プリウスの部品受注をめぐり、水面下で激しい争奪戦が展開されている。このモデルには、TNGAが初めて本格的に採用される。トヨタの新しい「モノづくり」構想は業界の構図を大きく変えようとしている。

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(週刊東洋経済2012年3月31日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。撮影:今祥雄

 

西村 豪太 東洋経済 コラムニスト

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にしむら ごうた / Gota Nishimura

1992年に東洋経済新報社入社。2016年10月から2018年末まで、また2020年10月から2022年3月の二度にわたり『週刊東洋経済』編集長。現在は同社コラムニスト。2004年から2005年まで北京で中国社会科学院日本研究所客員研究員。著書に『米中経済戦争』(東洋経済新報社)。

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