ホンダ量販モデルとして初のハンズオフ機能を搭載した「アコード」の新グレード登場。手放し運転ができること、できないことへの理解

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分岐退出支援のシナリオが発動したときのメーター表示
分岐退出支援のシナリオが発動したときのメーター表示(写真:三木 宏章)

いずれの場面でも、各シナリオ発動後に支援が開始される際にはレベル2-B1だからドライバーはハンドルを把持している必要があるし、車線変更時は変更を行う側への目視による安全確認が不可欠だ。

360+による①②の車両制御はさすがレジェンド仕込みだ。ハンドルの切り始めから切り戻しまでわずかな横加速度しか感じない。一方で、個人的には、せっかく精度の高いドライバーモニタリングカメラを備えているのだから有効活用すべきだと思えた。

たとえば、ドライバーが車線変更を行う側の目視を行ったことをシステムによる車線変更のトリガーとして織り込めば、人(ドライバー)と機械(360+)との協調が進むだろうし、道路交通法で定められているとはいえ、なかば強制的な目視による安全確認を不可欠なタイミングで繰り返すことで、システムが提供する安全な車線変更のタイミングを自身のものとしてドライバーが教わることにもなるのではないか。

レベル2とレベル3での相違点

ところで一連の運転支援内容から、同じくハンズフリー走行ができる自動化レベル3技術搭載車であるレジェンドのレベル2-B2との違いはどこにあるのかと疑問を抱かれたかもしれない。ハンズフリー走行(レベル2-B2)の提供という意味では、高精度地図とGNSSを活用していることから水準は同じだ。また、システム設計段階で定められた「運行設計領域」以外では、ドライバーに運転操作を促す「運転再開要求」も同じく両方に発せられる。

異なる点は、システムに求められる信頼性の高さだ。具体的にレベル3技術搭載車では、システムに冗長設計(≑複数の手段を用いて確実に実行できるシステム設計)が求められる。冒頭のレジェンドでは光センサーであるLiDARを5つ搭載したり、同じ機能を持たせた光学式単眼カメラを2つ搭載したりしていた。

万が一の際の予防安全技術として、360+搭載車には⑤「ドライバー異常時対応システム」(EDSS/Emergency Driving Stop Systemとも呼ばれる)が備わる。ドライバーの体調急変が要因で発生する交通事故は年間300件ほど発生しているが、EDSSはこうした状況で車両を安全に停車させ事故を抑制する狙いがある。3種類あるEDSSのうち、アコードは同一車線内で停止する「車線内停止方式」を採用する。

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