
この機能で注目すべき点は、特別なスイッチ操作なく働くこと。ドライバーがエンジンを始動させると自動起動して、自車速度が10km/h以上で稼働を続ける。また、主要センサーであるドライバーモニタリングカメラのフレームレートを高め、画素数アップや学習データを向上させた結果、高速道路だけでなく一般道路にも対応する。
EDSSが発動すると、ホーン(警笛)が鳴りハザードランプやブレーキランプの点滅などが行われるが、2025年6月に技術基準が見直されヘッドライト点滅も認可された。これにより周囲からの認知が早まり、ドライバー救護確率の向上に期待がもてる。EDSS搭載車は増えつつあるが未だ限定的。しかし、超高齢社会のドライバー環境には有益な運転支援技術であることはたしかだ。
ハンズオフ走行技術と安全性

冒頭に、なぜ国内外の自動車メーカーは運転中に手が放せる「ハンズオフ走行技術」を実装するか問い、それに対し筆者は「ハンドルから手が放せること」は、「ハンドルから手が放せるくらい精度の高い運転支援が受けられること」だと持論を述べた。ハンズオフ走行のアシストを受けながら、運転にまつわる身体的/心理的な負担を減らし、事故を遠ざけた運転を継続したいと願っているからだ。

交通事故総合分析センターによると交通事故の発生要因は90%以上が人に起因するという。高度運転支援技術では、その発生要因の減少に大きな期待がもてる。数字の裏付けもある。スバルでは、高度運転支援技術群「アイサイト・バージョン3」搭載車の事故率を交通事故総合分析センターの情報から分析した。その結果、対象となる45万6944台の追突事故発生率は0.06%に抑えられたと発表した。単純計算で275台以下だ。
ホンダは、「2050年に、全世界でホンダの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロを目指す」ことを掲げる。360+では、今回紹介したハンズフリー走行機能を含めた複数の技術で快適な移動を楽しみながら、人(ドライバー)と機械(360+システム)が一体となり事故ゼロを目指す。人の不得意分野を機械がカバーし、機械の不得意分野を人がカバーする、そんな「人と機械の協調運転」はひとつの理想ではないだろうか。
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