
自動運転技術は国連WP29でレベル0~5の6段階(1~5の5段階定義もあり)に区分けされているが、同じようにハンズフリー走行を含めた高度な運転支援技術も細かく定義づけがなされている。
世界初の自動運転車両(レベル3/条件付自動運転)としてリース販売されたホンダ「レジェンド Hybrid EX・Honda SENSING Elite」(2021年/日本市場のみ)を皮切りに、自動運転の要素技術を使った高度な運転支援技術に対する議論が深まってきた。
具体的には、より支援レベルの高いシステムを販売車両に実装するためWP29の国連協定規則に「DCAS/Driver Control Assistance System」がUN-R171として合意項目に加わった。DCASとは、レベル2運転支援技術を用いて、縦方向(アクセル&ブレーキ操作)、横方向(ハンドル操作)のシステム制御を一般道路で稼働させる際の国際基準だ。合意内容には日本の意見も採り入れられた。
これにより、これまで高速道路や自動車専用道路での使用に限定されていた車線維持の支援機能や、一般道路での交差点右左折時における積極的な支援機能、システムからの提案をドライバーが承認することで作動する車線変更の支援機能などが、歩行者を含めた混合交通となる一般道路でも使えるようになる。すでに日本市場では2024年9月に国内基準の改正として適用されている。
DCASはWP29でさらに議論が進み、2025年3月には高速道路においてハンドルから手を放した状態での車線維持機能(=ハンズオフ走行)を運転補助機能として織り込むことができるようになった。DCASは乗用車だけでなく、トラックやバスにも適合されるが、二輪車は今のところ対象外だ。
ホンダ「アコード」にハンズオフ機能が実装

2025年5月、「Honda SENSING 360+」(以下、360+)を搭載したフラッグシップセダン「アコード」に試乗した。このアコードでは、ホンダの量産車としては初となるハンズオフ走行が可能だ。事実上、ハンズオフでの公道走行を実現した初のホンダ車は前述したレジェンドだが、法人リース専用の特別な車両。よって量産車としては今回のアコードが初を名乗る。
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