「あの時助けていただいたミスドです…」もっちゅりんが続々終売のミスド。本業が伸び悩む「ダスキン」を新商品のヒット連発で支える"凄さ"
そして、訪販事業の課題は「クリーンサービスの維持・効率化」と、「訪販全体の強化」だ。
ここで収益を挙げる体質を維持しないと、全国5732拠点のダスキン加盟店の離脱につながりかねない。かつダスキンのフランチャイズ制度は1963年から続いており、全国のネットワーク維持には「2代目・3代目世代への支援」「クリーンサービス以外の収益体制の提案」が不可欠だ。
こういった加盟店のために、ダスキンはクリーンサービス以外に「害虫駆除」「家事代行」「住まいの補修」などのケアサービス事業や、鍵のトラブルなどのレスキュー事業を立ち上げ、複数加盟させるかたちで加盟店の収益力を挙げている。実は、2025年に「売り上げ増加」で挙げたプラス4億円は、クリーンサービスの減少分をケアサービスの大幅増収で補っているからこそ、獲れたものだ。
こういったクリーンサービス・訪販は基本的に人海戦術であり、コストカットを狙っても、人手は削減できない場合も多い。今後も増大する人件費をカバーできるほどに「ダスキン」で稼げる方法を広く示さないと、経営者や従業員の高齢化とともに跡を継がせず、加盟店をやめる事態につながりかねない。
先に登場した加盟店の経営者の方も、「ミスドは心配してないんだけどねぇ……高齢化で顧客が減るから、お掃除(ダスキンのクリーンサービス)は、子供に継がせづらい」と仰っていた。
そういった事情で、ケアサービスで収益力を向上させようとしているものの、害虫駆除は「サニックス」や地場業者、ちょっとした家の補修は工務店や「パナソニックショップ」など”街の便利屋さん”的な店でも対応できてしまうため、これまで発生しなかった競争に苦慮しているのだという。
自ら価値を下げない失態がない限り、ミスドは安泰?

ミスタードーナツは、4年連続赤字のもととなった「100円セール」乱発などの失策がなければ、当面の懸案事項はないだろう。
ダスキンもクリーンサービスが先細っているとはいえ、これだけ各地を巡ってネットワークを持つ訪販業者は、ダスキンを置いてほかになく、当面は安泰だろう。
直接関係ない「掃除と味覚」な関係のダスキン・ミスタードーナツが、今後とも関係を保っていけるのか。今後は「攻めの成長」だけでなく、ダスキンのケアサービスの充実による「加盟店の収益力の維持」といった守りの部分も、重要なポイントになりそうだ。
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