「あの時助けていただいたミスドです…」もっちゅりんが続々終売のミスド。本業が伸び悩む「ダスキン」を新商品のヒット連発で支える"凄さ"
ダスキンとミスタードーナツ=「掃除と味覚」。業種としては直接の関係がなく、双方の首脳陣が過度に干渉している様子はない。
しかし、ダスキンがコロナ禍による「加盟店への見舞金」「清掃サービスの利用減少」で打撃を受けた時期に、ミスタードーナツは持ち帰り需要・巣ごもり需要で売り上げが急増するなど、別業態ならではの「困ったときに、干渉せず支えあえる関係」だ。

ミスタードーナツはダスキンのモップ・マットなどを使用しているため、ダスキンにとってのミスドは「優良お得意様」でもある。そして双方ともフランチャイズ経営者が多く、取引先として勝手知ったるミスドを、ダスキン代理店が「自分で経営してみたいなぁ……」と希望し、いつしか双方の経営者を兼ねるケースも多いのだという。
なかには清掃事業・飲食店経営のダブルのノウハウを生かして、「ダスキン福山」(広島県)はコメダ珈琲店、「ニッシンコーポレーション」(山口県)は牛角・大阪王将のフランチャイズ経営に乗り出すような事例まである。
直接関係がなくても、飲食店の営業において重要な「掃除と味覚」を両立させることで得たノウハウに汎用性があるのは、ある意味当然の話ではある。
FC経営者「お掃除屋さんは、街の観察屋さん!」ダスキン・ミスド兼業のメリット

今回の執筆にあたり、ダスキン・ミスド双方を経営する方に、お話を伺った。その方いわく、業種である2社を経営することで、得られるメリットは「清掃用品の納品」にとどまらないことだという。
ダスキンの訪販事業は個人宅・店舗・オフィスビルなどをくまなく回るために、「駅前ビルの集客が落ちている(テナントのマットが汚れなくなった)」「一挙に高齢化が進んだ郊外地区がある」といった街の変化を、肌で感じるそうだ。あくまでも個人差はあるものの、「お掃除屋さんは、街の観察屋さんである場合も多い」のだという。
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