「授業態度=成績」の時代は終焉? 次期学習指導要領の新方針で“泣く生徒”と”救われる生徒”の差

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この変化は、小中高の指導のあり方だけでなく、受験システム全体・ひいては教育業界全体をも変化させる大きな転換点になる可能性があります。

この記事では、その点について考察していきます。

「主体性」はテストでは測れない

この変更の背景には、この「主体的に学習に取り組む態度」の評価の難しさがあります。

「主体的」というのは、教育学的に言えば「非認知能力」に位置付けられる能力です。テストで測れるものではないため、共通の指標を持ちにくく、数値化しにくいという面があります。

例えば生徒のAさんが主体的かどうか、というのは、そのAさんを見ている先生によって評価が変わってしまうかもしれないのです。B先生から見ればAさんは主体的で、C先生から見ればAさんは主体的でない、ということも起こってしまうわけです。

B先生「Aさんは、積極的に授業で発言しているので、主体的に学習に取り組んでいると言えるだろう」

C先生「Aさんは、授業でよく発言しているものの、発言の内容は学習そのものと関係ない内容の場合も多いので、主体的に学習に取り組んでいると言えないだろう」

というように、生徒の授業態度のどの部分を切り取って評価するかが難しかったわけです。

これはかなり不平等で、評定という指標自体に対する不信感にもつながっていました。「生徒の授業態度なんていう曖昧な評価で、高校受験や大学受験の結果が変わってしまうのは良くないのではないか?」という批判も、従来からあったわけです。

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