「ながら運転は1万2千円」「歩道通行でも6千円」の”罰金”だが…。ウーバー配達員も困惑「自転車青切符の導入」が無理筋な理由
両耳にイヤホンを付けた状態で走る10代の学生。スマホを操作しながら走行する20~30代のサラリーマンやキャリアウーマン。傘を差した状態で走行する40~50代の男女。車道を逆走してくる高齢者……。
2026年4月1日から「自転車の青切符」が施行される。傘差しやイヤホンで音楽を聴きながらの走行は5000円。信号無視や逆走、歩道通行などの通行区分違反は6000円。携帯電話を使用するなどの「ながら運転」は1万2000円……の、反則金が課せられる。
制度導入まで1年を切っている今、いったいどれだけの人が「自転車の正しいルール」を認識しているのだろうか。
「とはいえ、自分はいわば自転車を仕事道具にしているわけで、言ってしまえば“プロ”だ。安全運転には人一倍気をつけているし、新制度が導入されても問題ないだろう」
……と思っていたのだけれど、すぐに自分の浅はかさを知ることとなった。改めて、自転車の交通ルールを勉強してみると、想像以上に細かな決まりがあったのだ。
ということで本稿では、自転車を商売道具としている立場から、今回の制度変更について考えてみたい。
自転車の正しいルール、知ってる人は少数派?
自転車は、車道を走行中は車両用信号機に、歩道を走行中は歩行者用信号機に従って通行する。ただし歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示がある場合はこれに従うことになる。自転車も歩道を渡る実態・慣習があるとは言え、法律的には自転車は車道を走行するものという位置づけなので、「歩行者・自転車専用」の標示が、特例として存在するのだ。
厄介なのが、歩車分離式信号機のある交差点だ。例えば車の信号は「赤」、歩行者用の信号が「青」になっているケースでは、車道走行中の自転車はこの交差点を通行でき……ない。通行すれば信号無視になる(ただし歩道走行中の自転車は通行できる)。


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