曲がり角を迎える日本の人事~その課題を探る《1》
HR総合調査研究所(HRプロ)は、2012年2月23日から3月8日にかけて、「人事課題に関する調査」を行い、282社から回答を得た。内訳はメーカー110社、非メーカー172社だ。
日本企業の多くがグローバル化への対応などを課題としており、人事は曲がり角を迎えている。そこで今回の調査では、どのようなテーマが人事課題として意識されているのかを調べるため、現在課題と将来課題を聞いてみた。
●最優先課題は、「優秀な人材の確保」と「教育・能力開発」
「貴社の人事関連の課題として重要だと思われるもの」について聞いたところ、メーカー、非メーカー、企業規模によって、かなり大きな違いがある。そこで「全体」「メーカー系規模別」「非メーカー系規模別」のグラフを取り上げてみたい。
まず全体の傾向から見てみよう。最も重要な課題は「優秀な人材の確保」(77%)と「社員の教育・能力開発」(75%)だ。「社員のモチベーションアップ」も67%と高い。
以下は「幹部候補の選抜・育成」(54%)、「人事制度改革」(48%)、「中間管理職層の能力開発」(48%)、「メンタルヘルス対策」(47%)、「新人・若手社員の戦力化」(39%)、「適正な要員計画」(38%)、「組織風土改革」(36%)、「戦略的な人材配置・人事異動」(34%)、「女性社員の活用」(32%)が続いている。
人事課題のソリューションを外部に求める「アウトソーシングの活用」は7%と低い。意外に少ないと感じるのは「グローバル化への対応」(29%)、「ワークライフバランスの実現」(26%)、「中高年社員の活用」(23%)だ。
業種や企業規模によって、重要な人事課題は変わりやすい。どの項目で違いがあるのかをメーカー系と非メーカー系の規模別で確認してみよう。
図表1:人事関連の課題として重要だと思われるもの(全体)
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