曲がり角を迎える日本の人事~その課題を探る《1》

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●非メーカー系・規模別の関心の違い

 非メーカー系でも高い項目は「優秀な人材の確保」と「社員の教育・能力開発」だ。しかしメーカー系よりも低く、特に「社員の教育・能力開発」については、「1001名以上」66%、「301~1000名」71%、「1~300名」73%とメーカー系よりも10ポイント前後低い。

「組織風土改革」も規模別の違いが大きく、「1001名以上」52%、「301~1000名」27%、「1~300名」34%だ。規模が大きくなると、「組織風土」に立ち入った改革が必要になるということだろう。

「グローバル化への対応」は、メーカー系よりかなり低い。「1001名以上」でも38%にすぎず、「301~1000名」が24%、「1~300名」は16%にとどまっている。非メーカー系企業は内需型が多いからだろう。

「戦略的な人材配置」もブレが大きく、「1001名以上」52%、「301~1000名」40%、「1~300名」27%だ。

図表3:
人事関連の課題として重要だと思われるもの(非メーカー系・規模別)

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●現在と5年後の人事課題の差異

 今回の調査では、「現在の重要人事課題」だけでなく、「将来(5年後)の重要人事課題」についても問うてみた。全体的に見ると、現在よりも下がっている項目が多い。現在も将来も重要課題のトップ2は「優秀な人材の確保」「教育・能力開発」だが、数字はかなり落ちている。採用と教育は人事の仕事の柱だから、重要性が薄まると予測しているわけではなく、当たり前の仕事として認識しているのではないかと考えられる。

数は少ないが現在よりも高くなった項目もある。「戦略的な人材配置・人事異動」は34%→37%、「グローバル化への対応」は29%→32%、「中高年社員の活用」は23%→26%だ。成長のために戦略人事、勝ち残りのためにグローバル対応、政府の求める65歳までの雇用維持のために中高年社員の活用が必要ということだろう。

図表4:現在と5年後に重要になる人事課題(全体)
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