卒業ではなく除籍も「公職選挙法上は問題ない」と主張…《学歴詐称?》静岡県伊東市・田久保真紀市長の弁解が大問題である理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここで個人的な見解を述べると、政治家のみならず、あらゆる職業は「きちんと働いてくれるなら、学歴や職歴はどうでもいい」と感じるタイプだ。しかしながら、事実でないものまで「盛る」ことは、あってはならない。

また一般社会において「卒業か除籍か」は、「大卒か高卒か」の差になる。これらで判断することの是非はあるが、あらゆる職場の採用基準に用いられている現状があることは忘れてはならないだろう。

選挙をめぐる学歴詐称疑惑は、これまで幾度もあった。有名なところだと、「サッチー」こと野村沙知代氏が、コロンビア大学卒だと選挙公報に記載し、公職選挙法で告発された(後に不起訴処分)。タレントの新間正次氏は、参院選当選時の選挙公報に「明治大学中退」と記載したところ、実際は入学手続きも行っていなかったと判明して、最高裁の有罪判決後に議員失職となった。

なぜ主張が二転三転したのか

田久保氏の「東洋大卒業」は、選挙公報には書かれていない。しかし、田久保氏は議長らに“卒業証書”とする書類を見せたと報じられている。仮にこれが本物でないのなら、私文書偽造に問われる可能性もある。

田久保氏の処遇は今後、議会や法廷に任される。決着はその結果を待つしかないが、現時点で違和感を覚えるのは、「なぜ主張が二転三転したのか」だ。

怪文書を「何の根拠もない」と一蹴し、関係機関へのチェックも完了していると断じたにもかかわらず、会見ではその態度が一変した。大学そのものは“関係機関”ではなかったのか。こうした言動の一貫性から、「政治家としての器」に疑義が付いているのは間違いない。

次ページ「ジャイアントキリング型選挙」が秘める課題
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事