明大教授が明かす「昔、ヤンチャしててさ」なんて武勇伝は"イタい"とすら言ってもらえない厳しい現実

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「成績はほとんど1だった」というような話は聞きたくもなくて、最初から勉強しろよと心中思うだけですし、それを自慢するのはただただイタい大人だなという印象になります。

けれども、ある程度の年齢になると、元ヤンチャしていたという自慢を武勇伝のように語る人に、もう誰もイタいとさえ言ってくれなくなります。

求められていない経験は、ただのノイズ

昔は足が速かったということであれば、笑って聞くことができます。「昔は100メートル12秒を切っていましたよ」と言うなら「すごいね」となります。

ただ、誰も興味のない過去の栄光を語ることは好まれませんし、自分にとっては貴重だと思っている経験知が喜ばれるとは限らないものです。

長々と自分の話をしていても誰も聞きたくないし、経験知のない人に経験を語っても、相手が求めていない場合には意味がありません。相手が求めているときに一言だけアドバイスをするくらいがちょうどいいでしょう。

そのあたりの勘違いを起こしやすくなるのが40代なのです。もっとも、30代後半から始まっている人もいる気がします。

ある程度仕事をやってきたという自負があるので、その驕りと謙虚さのないところが、20代の若い世代に嫌われることもあります。

若手に嫌われるような人というのは、これからの時代、誰にとっても不要な人ということになります。どうしても実績を言いたいときは、「制限時間5秒」を意識すると、相手の負担が少なくなります。

今、私が企業から頼まれる講演では、かなりの数で「世代間ギャップの克服についても話してください」という要望があります。

中高年の男性は、今の20代と価値観がまったく合わないからギャップがひどいと社内でも問題になっているようです。

私自身は大学生、主に18歳から22歳の人と何十年もつき合っているので、感覚的によくわかります。ただし、世代間にいかにギャップがあるとはいえ、「向上感」というものに関してはみな嫌いではありません。

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