発言の中にある「ラ・ヌオーバ・ドルチェビータ」とは、首都ローマで行われたフェラーリ「ローマ」の発表会でさかんに喧伝された、このクルマのコンセプトワード。
フェデリコ・フェリーニ監督の映画「ラ・ドルチェビータ(1960年 邦題:甘い生活)」に材をとったコンセプトだ。フェラーリ・ローマは、ゆたかなライフスタイルを求める人のためのモデル、ということだった。

「フェラーリ・ローマは、完璧なバランスを持っていました。ひかえめなエレガンスさを身につけたスポーツカーで、多様なニーズに応えてきました」
美しいデザインの作り方
今回のアマルフィは、ローマの後継モデルにあたる。
プレスリリースでは控えめに表現されているけれど、マラネロでの発表会では、のっけから「このクルマ(アマルフィ)はローマに代わるモデル」(ガリエラ氏)と紹介された。
ローマは私の大好きなモデルで、2019年にクーペが登場。追って2023年にスパイダーが発表されている。

「2プラス」というシーティングコンセプトで、前席背後に人はともかく、大きめの手荷物を置けるスペースが設けられている。
フラビオ・マンツォーニ氏がチーフデザインオフィサーを務めるチームが実現した、曲面の美しさを重視したボディ。
フェンダーには、大きな車輪を収めたために盛り上がった1960年代のフェラーリ車を彷彿させるふくらみがあり、ノーズはぐっと低め。
「フェラーリをデザインするときは、4つの車輪の上に乗った車体として考えるのでなく、まずボディ全体をひとつのフォルムとして始めます」
マンツォーニ氏は、ローマを発表したとき「本当の気持ちとしてはクレストをつけたくないんです」と語っていた。
クレストとは、フェラーリオーナーの多くが好む、フロントウイング(フェンダー)についた、黄色地に黒い跳ね馬のエンブレムのこと。

デザイナーとしては、あれもなくしてウイングの面の連続性を強調し、美しさを表現したかったようだ。
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