「監視されて幸せ?」中国とロシアで見えた“独裁と豊かさ”の不思議な関係とは?舛添要一と佐藤優が語る“21世紀の独裁”

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21世紀の独裁
中国では2億台以上の監視カメラが稼働していると言われます(写真:キャプテンフック/PIXTA)
2025年1月にアメリカ大統領に就任したトランプは関税引き上げ、カナダ合併などの提案・政策をぶち上げている。佐藤優元外務省主任分析官はそのふるまいを「皇帝」に準え、舛添要一元東京都知事は「ヒトラーやスターリンの手法と同じ」と言う。
20世紀は「独裁者の時代」と呼ばれ、人種主義はホロコーストなどの悲劇をもたらした。それらは二度の世界大戦を経て、過去の遺物となったはずだった。それがなぜ近年よみがえってきたのか。
時代の転換期を迎え、日本はどうすべきか。新著『21世紀の独裁』から一部を抜粋・編集しお届けする。

監視社会の幸福な国民──舛添

2024年の中国訪問では、中国がきわめて厳しい監視社会であることを、あらためて強烈に感じました。誰が、いつ、どこで、何をしたか。すべて当局が監視・点検してガラス張りにしています。たとえば舛添要一が北京で何を食べたか、スーパーで何をいくらで買ったのか、すべて当局に筒抜けです。

それこそ、中国の市民がSNSのウィーチャット(WeChat。微信)で習近平の悪口を言おうものなら、すぐに捕まえに来る。まるでジョージ・オーウェルの『1984』(近未来の監視社会を描いたSF小説。1949年刊)の世界ですね。

この監視社会を支えているのは、言うまでもなくITの先端技術です。スピード違反をした車のナンバーを監視カメラが瞬時に識別して運転者を特定し、違反の通知が届きます。

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