「永野芽郁騒動」で揺れた映画《かくかくしかじか》が意外にも健闘の理由は? 見る人次第で傑作にも凡作にもなる「東村アキコ」の自伝的作品
公開7週目現在までの映画動員ランキングの推移は以下の通り。
1週目(5/19発表)4位 邦画実写1位
2週目(5/26発表)5位 邦画実写2位
3週目(6/2発表)7位 邦画実写3位
4週目(6/9発表)10位 邦画実写4位
5週目(6/16発表)圏外
6週目(6/23発表)圏外
7週目(6/30発表)圏外
オープニング350館超えの公開規模からすると、少しもの足りない成績ではあるが、至ってオーソドックスなランキング推移であり、作品性への評価がそのまま表れた興行と見ることができる。

汗と涙と感動の王道人間ドラマ
本作は、漫画家・東村アキコが自伝的作品として描き、「第8回マンガ大賞」「第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞」などを受賞した同名人気漫画が原作。
その実写化において、原作者である東村アキコが自ら脚本を手がけ、宮崎、石川、東京を舞台に自身の身に起きた実話を、漫画家を目指す少女(永野芽郁)と恩師の絵画教師(大泉洋)の9年間にわたる軌跡として綴った。
物語は宮崎からはじまる。漫画家になる夢を持つぐうたら高校生の主人公は、美大進学を志し、竹刀を振り回すスパルタ絵画教師のもとで厳しい指導を受ける。
ぶつかり合いや紆余曲折を経て、何とか地方の美大に進むが、彼女には教師に言えなかった秘密がある。そんななか、ある出来事が起きる。それを通して彼女は大きく成長する。
そこには、彼女の人生を変えた恩師とのかけがえのない日々がユーモアたっぷりに描かれている。観客は、2人の子どもみたいなケンカに笑い、会話のやりとりの節々や、些細な仕草の一つひとつににじむ愛情に心打たれ、思わず涙が溢れたり、微笑ましく思ったりすることだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら