購入先が少ないのが難点で、東急ハンズやホームセンターが主な販路だが、ネット販売がお得だ。たとえばアマゾンで詰め替え用(450ml)は34%オフの718円(2015年10月15日現在)。筆者はこの価格なら、使用感のよさを考えればかなりコスパがいいと思ってしまう。
つけ置き洗いは、慣れてしまえば洗濯機より短時間で洗濯が済むし節電・節水にもなる。また、ネクタイなどの小物は洗面器で、こたつ布団など大物は浴槽で、旅行や出張時は宿泊先の洗面台でと、洗濯機がなくても便利に洗える。災害時も水の供給さえあれば役立つだろう。これからの季節は、よく着るニットなどを始め、カーテンや学生服など新年を迎えるにあたりキレイにしておきたいアイテムの洗濯にも「ドライニング」は重宝するに違いない。
「ドライニング」は、発売当初からあるゲルタイプと、2000年に追加された液体タイプがある。ゲルの方が部分洗いしやすいが、溶けやすく酵素も配合された液体の方が人気だ。液体は同社の衣類用洗剤カテゴリーでもトップの売り上げ。特にリピーターの詰め替え需要が圧倒的に多いという。
おしゃれ着用洗剤市場は今後も需要がある
「衣料用洗剤の市場規模は、2010年の経済産業省の資料によると1900億円。そのうちおしゃれ着用洗剤市場はわずかだが、ここ数年ドライニングは増加傾向と、渋川さん。また、この10年でクリーニング店は減っており、渋川さんは、「大きく伸びる市場ではないが、おしゃれ着洗いやホームクリーニングは今後も需要がある」とみている。
同社は、洗剤以外にも日用品を扱っているが、どの商品もリピート率が高いという。今回は特に歴史のある洗剤を採り上げたが、実はほかにも溺愛されている商品がいくつもあるのだ。
いちばん売れているのは「ダニクリン」というダニ忌避剤シリーズ。これも20年近く支持されており、最近ではアジアを中心に海外でも人気が拡大している。余談だが、これも編集担当Y氏のリピート品だそうだ。そのほか「カビトルデス」というカビ取り剤も1999年の発売以来、人気だという。この商品力の強さは、いったいどこからくるのか。
同社の開発モットーは、環境に負荷をかけない原料を選び、赤ちゃんでも安心して使えるもの、かつ利便性の高いものを作ることだという。「末永く使ってほしい」(渋川さん)ので、流行に流されないこともポリシーのひとつであり、たとえば旧商品を廃盤にして次々と新商品を出すことはしない。基本的には、シリーズの中でリニューアルやニーズに沿った追加を行っている。また、消費者への丁寧な説明も心掛けており、24時間365日対応のフリーダイヤルは、可能な限り社員が対応しているそうだ。
企業の「誠実さ」。これなくして、商品が深く長く愛されることはないのである。
(写真:尾形文繁)
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