怒りっぽい職場のあの人は「実は鬱症状」かもしれない メンタル不調の兆候を“いち早くつかむ”ために知っておきたいこと
感情制御も難しくなり、コミュニケーションが円滑にできなくなります。そして、さらに周囲からの印象が悪化し、職場での立場がより厳しくなる悪循環に陥ります。
このように一度大きく業務遂行能力が低下すると、環境に働きかけずに本人の努力だけで悪循環から逃れるのは非常に困難です。
追い詰められると脳の働きが落ちる
前節のような状況に陥ると、本人はなんとか状況を打開しようともがきます。
例えば栄養ドリンクを大量に摂取して夜遅くまで働き、挽回しようとするのです。
しかし、この「量でカバーしようとする」「一発逆転を狙う」思考がすでに解決を難しくしています。
そもそも、今の状況になった原因は、周囲に相談せずに、自分だけで困難な状況を打破しようとしたことです。もともと周りに相談ができる人であれば、こうした深刻な状態に陥ることは稀です。
つまり、もともとの特性として、「他人に相談をするのが苦手」「他人に頼ることに抵抗がある」人なのです。
今の状況は、体調も悪くなり、仕事でも追い詰められています。人間は追い詰められていたり苦しい状況であるほど、本来の性質が強く現れます。
「他人に頼らず、一人で解決しようとする」性質が、今まさに表現されているのです。
この段階になると、今まで好きで行っていた趣味や運動の頻度が極端に減ったり、あるいは全くできなくなったりするのも特徴的です。
うつの症状の一つに「意欲の低下」があります。運動や趣味が億劫になり、「疲れているので今日は休んだほうがいい」と考えてしまいがちです。しかし、こうした判断を続けることで、リフレッシュの機会を失い、脳の疲労回復のチャンスを逃してしまいます。
趣味や運動の時間を取ることで、脳が「悩みの回路」から一時的に離れ、リフレッシュする効果があるためです。
すなわち、「休んだほうがいい」と思って下した判断が、結果的に脳の疲労をさらに悪化させるマイナスの選択になっているのです。
周囲の人や自身のメンタル不調の兆候をいち早くつかみ、心身の健康を保つために適切な対応をとるようにしましょう。
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