【インドで生産・販売するバイオ燃料車とBEV】スズキの次世代バイク「e-アクセス」と「ジクサーSF250 FFV」日本投入の実現性

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ジクサーSF250は、こうした独自機構により、最高出力19kW(26PS)というパワーと、WMTCモード値34.5km/Lという燃費性能を両立。装備重量158kgという軽い車体と相まって、初心者からベテランまで、幅広いライダーが軽快な走りを楽しめるモデルとなっている。

ジクサーSF250 FFV

人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMAに展示されていたジクサーSF250 FFV
人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMAに展示されていたジクサーSF250 FFV(筆者撮影)

ジクサーSF250 FFVは、そんなジクサーSF250をベースに、前述のとおり、ガソリンとバイオエタノールの混合燃料に対応した仕様だ。85%までの高濃度エタノール燃料の使用を可能とする。インドでは、2025年1月より発売しており、従来のガソリン仕様車も併売しているから、追加バージョンといったポジションとなる。

車体サイズは全長2010mmx全幅740mmx全高1035mm、ホイールベース1345mm、シート高800mm。装備重量163kg。ボディサイズはベース車と同じだが、装備重量はベース車の158kgに対し5kgほど重くなっている。

リヤタイヤ部分に取り付けられたサリーガード
リヤタイヤ部分に取り付けられたサリー・ガード(筆者撮影)

外観上は、日本で売られているジクサーSF250とさほど変わりはない。ぱっと見て違うのは、現地の法規によりフロントにもナンバープレート用のベースマウントがあることと、後輪左側に「サリー・ガード」というパーツが付いていることだ。

余談だが、サリーとは、インドなど南アジアの女性が着用する伝統的な民族衣装のこと。約6mの長い一枚布のような衣服で、体に巻き付けて着用する。サリー・ガードは、このサリーを着た女性が2人乗りでバイクの後席に乗った際、後輪に長いサリーの布が巻き込まれる事故を防ぐものだ。筆者は、こうしたパーツをはじめて見たが、インドなどで販売されているモデルでは、かなり一般的な装備なのだという。

ジクサーSF250 FFVのエンジン
ジクサーSF250 FFVのエンジン(筆者撮影)

話を戻そう。外観上はさほどガソリン仕様車と変わらないジクサーSF250 FFV。だが、エンジンのパーツ(ピストンリングなど)や燃料系部品(燃料タンクや燃料ポンプなど)の材質や表面処理を変更し、高濃度エタノール燃料に対応させているという。これは、スズキによると「(高濃度エタノール燃料では)金属部品の腐食や燃焼室周辺部品の摩耗が問題となる」ためだ。

このモデルが対応するガソリンと混合するバイオエタノール濃度は、20%~85%の範囲。とくに最も高い85%の濃度でも、安心して走れる耐久性や信頼性を確保するために、各部品へのモディファイがなされているのだ。

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