【インドで生産・販売するバイオ燃料車とBEV】スズキの次世代バイク「e-アクセス」と「ジクサーSF250 FFV」日本投入の実現性

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ご存じのとおり、人口が14億人を超え、中国を抜いて世界一となったインドは、経済も成長を続けている国。2輪車についても庶民の足として普及が進んでおり、需要はうなぎ登りだ。ジェトロ(日本貿易振興機構)が調査したインド自動車工業会(SIAM)のデータによれば、2024年度(2024年4月~2025年3月)の2輪車販売台数は1960万7332台。

一方、国内では、日本自動車工業会がまとめた2024年の二輪車の国内出荷台数は31万9700台(前年比15.1%減)。インドはすでに日本の約6倍以上の販売台数を誇っており、しかも同じくジェトロの調査によれば、2029年には現在の約3倍近い約4500万台の水準まで増加する予測もあるという。

しかもインドでは、政府がBEVの普及を推進。バイオエタノール燃料についても、前述のように、一部のガソリンスタンドで販売を開始している。スズキによれば「取り扱い拠点は(2025年5月現在)約400カ所とやや少ないが、政府の後押しで今後も増えていくことが見込まれる」という。

スズキがBEVやFFVの新型モデルをまずインドで販売したのは、こうした背景からだといえる。また、生産拠点についても、たとえば、BEVモデルを作る際、インドには「モーターなどBEV向け部品を作るメーカーも多く、現地での部品調達も容易(スズキ担当者談)」なことで、次世代モデルの生産にも向いているという。

新工場も着工、生産能力を強化

なお、スズキでは、2025年5月20日、インドにおける子会社スズキ・モーターサイクル・インディア社(以下、SMIPL)が、建設予定である2輪車新工場の定礎式を実施したことを発表した。着工した新工場は、インドのハリヤナ州カルコダに建設予定で、2027年に稼働予定。生産能力は75万台/年だという。

2006年に2輪車の生産を開始したSMIPLは、2025年5月現在で累計約900万台を生産。製品はインド国内だけでなく、中南米、日本、欧州などへ輸出しており、今回の新工場建設により、さらに生産能力を向上させる予定だ。ちなみに、現在の国内市場でも、ジクサーSF250などインド生産車も一定数存在している。今後は、インドでの生産能力を強化したことで、日本でもその割合はより増えていく可能性も十分ありそうだ。

次ページさまざまな可能性を模索するスズキ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事