【インドで生産・販売するバイオ燃料車とBEV】スズキの次世代バイク「e-アクセス」と「ジクサーSF250 FFV」日本投入の実現性
このように、今回紹介した2モデルは、まずは増大するインド市場に着目した次世代戦略車だといえる。ただし、e-アクセスについて、スズキは「具体的には決まっていないものの、インド以外の各国にも順次輸出を開始する予定」と発表。日本にも導入する可能性のあるモデルだといえよう。一方、ジクサーSF250 FFVは、日本の場合、バイオエタノール燃料を供給する拠点の整備があまり進んでいないのが現状。インドのように、既存のガソリンスタンドなどで供給できるようにならない限り、導入は難しいといえる。
モータースポーツでも新燃料を活用

ちなみにスズキでは、バイク関連の一大イベント「鈴鹿8時間耐久ロードレース」に、2024年から「チームスズキCNチャレンジ」として参戦している。通称「鈴鹿8耐」と呼ばれるこのレースは、例年、真夏の鈴鹿サーキット(三重県)を舞台に、灼熱のなか8時間もの長丁場を戦う過酷な耐久レースだ。40年以上の歴史を誇り、毎年多くのバイクファンが集結。バイクファンの間では「真夏の祭典」として定着しているイベントだ。
そんな鈴鹿8耐に参戦するチームスズキCNチャレンジ。スズキの社員で構成するこのチームでは、スズキの1000cc・フルカウルスポーツ「GSX-R1000R」をベースに、CN(カーボンニュートラル)燃料で走るマシンを開発して参戦していることが特徴だ。2024年大会では、40%バイオ由来燃料を使用し、総合8位を獲得。2025年も8月1~3日に鈴鹿サーキットで開催される第46回大会に出場予定で、今季は100%サステナブル燃料を使用する予定だ。また、タイヤやオイル、外装パーツなど、ほかのパーツなどにもさまざまなサステナブル・アイテムを採用。これらを真夏の8時間というきびしい条件下で実走行させることで、環境性能技術の開発を加速させることを目指すという。

バイオエタノール燃料に限らず、こうしたCN燃料も、供給拠点などインフラの問題もあるため、もし実用化するにしても、まだまだ先の話になるだろう。ただし、個人的には、次世代モビリティがBEV一辺倒になるよりも、国や地域の実情などに応じ、できるだけ多くの選択肢があるほうがいいと思う。そのほうが、結果的に我々ユーザーにとっても、より手が届きやすい価格となったり、より使いやすく、実用性も高いものを享受できるのではないかと思う。
いずれにしろ、嗜好性も強い2輪車のジャンルで、今後どのような次世代バイクが出てきて、普及するのかが興味深い。環境に考慮するのは当然だが、できれば走りも楽しく、実用性も高く、価格もリーズナブル。近い将来、そんな未来のバイクが登場することに期待したい。
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