【インドで生産・販売するバイオ燃料車とBEV】スズキの次世代バイク「e-アクセス」と「ジクサーSF250 FFV」日本投入の実現性

そうした多様な選択肢のひとつとして注目されているのが、バイオエタノール燃料で走るクルマやバイクだ。バイオマス(トウモロコシ・サトウキビなどの植物由来の資源)から生成されることで、化石燃料よりも環境に優しいといわれているのがバイオエタノール。ブラジルなど一部の国では、古くは1930年代から燃料として活用されてきたが、近年は欧州などでも注目されており、ガソリンとエタノールを混合させて使用。エタノールの混合率を増加させることで、より環境へ配慮したモビリティも増えているという。
そんななか、近年はインドでも、政府がバイオエタノール燃料の普及を推進。エタノール混合率を20%にした燃料用エタノールの販売を、一部ガソリンスタンドなどで開始しているという。
ベース車のジクサーSF250

ジクサーSF250 FFVは、こうした動向に着目し開発したモデルだ。ベースとなっているのは、前述のとおり、日本にも導入されている250ccスポーツモデルのジクサーSF250だ。このモデルももともとインド向けで、生産もFFVと同様に現地。スポーティなデザインを持つフルカウルの軽二輪スポーツで、日本には2020年より導入されている。
ベースモデルの大きな特徴は、力強い加速性能と優れた燃費性能を兼ね備える249cc・単気筒エンジンを搭載すること。とくに注目なのが冷却方式で、スズキ独自の「油冷方式」を採用する。一般的なスポーツバイクのエンジンは、現在、水冷方式の採用例が多い。対する油冷は、エンジンオイルで冷却する方式で、スズキが1980年代から熟成させてきたシステムだ。ジクサーSF250では、新開発の「SOCS(Suzuki Oil Cooling System)」というシステムを採用。
従来の油冷方式が燃焼室の上からエンジンオイルを噴射して冷却するのに対し、燃焼室の外周に通路を設け、そこにエンジンオイルを流して冷却する方式を採る。これにより、燃焼効率を向上させるとともに、エンジンの軽量化やフリクション低減も実現。高回転・高出力ながら、優れた燃費性能も両立するという。
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