「成長意欲」は高いが「愛社精神」は薄い…そんな《Z世代の部下》から上手に信頼を得る4つのポイント

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ただし、40代〜60代の管理職や経営層が自分の感覚でコミュニケーションを取ると、若手側は圧力を感じたり、「この職場は合わない」と思ったりするリスクもあります。若手世代の特徴を踏まえたコミュニケーションをとることが大切です。

いまどきの若手社員"Z世代"の仕事観

「この世代はこうだ」と一括りにすることはあまりに乱暴ですが、生まれ育った時代の背景や環境によって、価値観に違いが生じるのも事実です。

いまどきの若手社員、"Z世代"の仕事に関する価値観の傾向をいくつか紹介します。

(1)成長意欲が高く、キャリア形成に興味がある

いまの20代は、生まれた時から物質的には恵まれた環境で育ってきた一方で、長きにわたる景気低迷の下で成長し、企業の将来性や自身の雇用に対して漠然とした不安を抱いています。もちろん、終身雇用が保証されているとは考えていません。

危機感や安定志向に由来する成長意欲を持ち、キャリア形成、自身の市場価値や能力向上に興味を持っています。

(2)"安定以上"は求めず、愛社精神や仕事の優先度は低い

Z世代が持つ成長意欲やキャリア志向は、前向きに表現すれば会社に依存しない独立心といえますが、端から愛社精神が低い状態ともいえます。昔は「就職は結婚と同じ」とも表現しましたが、いまでは「就職は恋愛と同じ」です。相性が合わなければ別れて、別の相手と付き合えばよいという感覚で、転職を捉えています。

また、生まれた時から物質的に充足しており、同時に、頑張っても将来に希望が持てる時代ではないと感じています。結果として「自分のことを後回しにして会社のために貢献する」「身を粉にして頑張れば、将来にリターンがある」などと、仕事を優先して生きる人は少ない傾向にあります。

(3)根性論を嫌う、タイパ・コスパ重視

Z世代は、子供の頃からIT技術に慣れ親しんできました。たとえば、iPhoneにSiriが搭載されたのは2011年、いまの新入社員が小学校低学年の頃です。効率的に物事を進めることが当たり前であり、タイムパフォーマンス(時間効率)やコストパフォーマンス(費用効率)を追求する世代といえます。

(4)価値観を押し付けられることを嫌う

LGBTQなどをはじめとする多様性を尊重する風潮のなかで育ったZ世代は、一方的に価値観を押し付けられることを嫌います。特に「昔からこうだった」「うちではこういうルールだ」「仕事はこういうものだ」などと、納得できる理由もなく、ルールや方法、考え方を押し付けられると、強く反発する傾向があります。

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