「成長意欲」は高いが「愛社精神」は薄い…そんな《Z世代の部下》から上手に信頼を得る4つのポイント
(5)人間的に尊敬できる人に従いたい
「会社のために身を粉にして働いて成果を上げている上司」は、いまの若手にとってロールモデルになり得ません。むしろ「そうなりたくない」対象です。
たとえ成果は凡庸でも、人間的に尊敬できる、生き方や価値観に共感する上司に従いたいと思う傾向があります。管理職でもワーク・ライフ・バランスを実現し、充実した私生活を送っている人をロールモデルとするからです。
部下との信頼関係を築くコミュニケーション手法
仕事の指示や指導をしたり、若手から意見や提案をもらったりする際には、信頼関係がなければうまくいきません。信頼関係が築かれていない状態では、部下は指示や指導を受け止めることは難しく、仕事のパフォーマンスや成長スピードも低下します。必要なのは迎合することではなく、新人や若手のパフォーマンスを高めることです。
ここからは、相手と信頼関係を築き、相手を動かすために大切なコミュニケーションの手法を紹介します。
(1)相手に興味を持つ
信頼関係を築くには、まず相手の価値観や興味の対象に関心を持つことが重要です。相手の関心事にフォーカスすることで、「あなたに関心がある」「存在を認めている」というメッセージを送って信頼関係を築くことができます。自分の話題ではなく、相手の価値観、相手の関心事に興味を持ちましょう。
非公式コミュニケーションでは、休日の過ごし方、趣味や家族、ライフプラン、入社理由、大切にしたい価値観など、業務の進捗とは関係ない話題が大切です。ただし、プライベートに踏み込まれることを嫌う人もいれば、成長意欲が強く仕事やキャリアの話を好む人もいます。相手の反応を見て話題を選ぶことが必要です。
(2)相手の強みを承認する
信頼関係を築きながら相手のパフォーマンスを高めるには、相手の強みにフォーカスすることが有効です。人は強みを褒められると、自己肯定感や自己効力感が高まるものです。
相手の行動や発言のなかから強みといえる部分を見つけたら、「これが得意だよね」「こういう思考や行動パターンは強みだよね」とプラスの声がけをしましょう。相手は「自分のことを見てくれている」「認めてくれている」と感じ、自分の強みを自覚的に仕事に活かすようになるでしょう。
部下の強みを3〜5個程度書き出して、言語化して整理し、日々の声がけを実践してみましょう。
(3)相手の意見は一度受け止める
コミュニケーションで注意が必要なのは、相手の提案を却下したり、相手の意見と異なる指示を伝えたりする際です。