「採算取れるの?」→まさかの回答が…ゲーム世界をリアルに再現!「ドラゴンクエストウォーク」イベントで見えた”凄まじいこだわり”

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さらに、ボールパークを運営するファイターズスポーツ&エンターテイメント社の積極的な協力が得られたこともあり、おそらく世界でも例を見ない「位置情報ゲームのリアルイベントを野球場で開催」という、斬新な集客が実現できたのだ。 

この日のグラウンドは、守備位置にスライムが配置された(筆者撮影) 

そして、「リアルイベントで、採算は取れるのか?」という、なかなか意地悪な質問をぶつけてみたところ……「リアルイベントの位置づけは現状『興行』ではなく、『外で歩いて楽しむ』という基本的な遊びを公式イベントとして提供することで、よりゲームを楽しんで頂きたいと考えています」との回答であった。

ユーザーの「ゲームしながら遊ぶのが楽しい!」という体験の提供が第一目的であり、採算はそこまでの重要課題ではないようだ。 

ただ、一方で「イベント開催にかかるコストが増大しているのも確か」であるという。物価上昇でイベント参加料金も上がっていく中、今回ならスタジアムツアー体験とセットのような「“プレミアムな体験ができる、少し値の張るチケット”のようなものは、今後も検討していきたい」そうで、「結果としてイベントコストが、例えば“とんとん”になれば、より多くのイベント実施が全国各地でできるのではないかと考えています」とのこと。 

「ドラゴンクエスト」のパーティーのコスプレで参加した人々も(筆者撮影) 

ここまで聞くと、スクウェア・エニックスの金銭・運営の負担は、やはり相当なものだろう。それはまあ、これだけ全力でイベント運営すればなぁ……と思いきや、イベントでしか得られないものもあるという。それは「プレイヤーの表情が見られる」ことだ。 

オンラインゲームを開発・運営していると、実際のプレイヤーが楽しんでいる様子を見ることは、あまりないそうだ。家族で仲良くゲームを楽しんだり、思い思いのスタイルで楽しむプレイヤーの表情を実際に見ることは「とても有意義なことだと考えています」とのこと。また、各種ゲームの運営・開発関係者も多くイベントを見に来て、声を掛けられる場合も多く、かけがえのない意見として今後のゲーム制作に生かされていくという。 

数々の名作ゲームを世に出してきた「スクウェア・エニックス」だけあって、プレイヤーを楽しませるノウハウとこだわりを、リアルイベントの運営の様子から垣間見えることができた。とはいっても、普通にプレイしているだけでワクワクする!……次回のリアルイベント開催は11月1日・2日、柴プロデューサーいわく、場所は「まだ言えない」そう。詳細な発表を楽しみに待ちたい。 

宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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