「採算取れるの?」→まさかの回答が…ゲーム世界をリアルに再現!「ドラゴンクエストウォーク」イベントで見えた”凄まじいこだわり”

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このイベントへの参加チケットは6930円~1万8480円と幅があるものの、高額チケットはスタジアムツアーやビュッフェなどもセットとなっており、販売額がそのまま同社に入るわけでもない。

しかも、多量のモンスターとアトラクションの準備、はてはスクウェア・エニックスの皆様が総動員で北海道入り、柴貴正・執行役員(「ドラゴンクエストウォーク」プロデューサー)を筆頭に、イベント運営に総力戦で当たっていた。 

スクウェア・エニックスはなぜ、割に合わないと思われる「ドラゴンクエストウォーク」リアルイベントに全力を尽くすのか。同社の担当者の方に、いろいろとお話を伺ってみた。

「2日間で5万人集客も、地域がパニック」→打たれた改善策 

エスコンフィールド北海道と「メタルホイミン」(筆者撮影) 

ドラゴンクエストウォークがサービスを開始したのは、2019年9月のこと。以前に柴プロデューサーにお話を伺ったところ、その当初からゲームと現実世界をつなぐリアルウォーキングイベントの開催を考えていたそうだ。 

その後、新型コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛せざるをえない状況が続き、感染が収束してきた2022年12月に大阪・万博記念公園で第1回イベントを開催、2日間で5万人を集客できた。 

しかし「電車が満員で乗車できない」「携帯電話の通信が途切れて、ゲーム自体がプレイできない」など、想定していなかった混乱が相次ぎ、運営方法を見直すために第2回開催を延期。アンケートをとったところ、6割が「参加費がかかっても参加したい」との回答があり、その後は山梨・富士急ハイランド、熊本・三井グリーンランド、そして北海道で有料開催。混雑状況をある程度予測し、比較的スムーズにイベントを開催できるようになったという。 

モンスター「キラーマシン」を改造した「キラーピッチングマシーン」投球。開発当時は始球式などに使用された(筆者撮影) 

しかし、現在の担当者の方に伺ったところ、その頃から「エスコンフィールド北海道」での開催を検討していたという。実は、「ドラゴンクエストウォーク」とパ・リーグは2020~2022年まで「パ・リーグ6球団コラボ」を実施しており、その頃から開催を相談していたそうだ。 

なにぶん、野球場は3万5000人の来場を想定しており、電波障害対策の移動基地局設置や、大幅なシャトルバス増便はしなくていい。新千歳空港にも距離的に近く、全国のユーザーが総結集できる場所だ。 

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