■その戦いの土俵は本当に正しい?
責任者は「将来的にはさらなる“しくみ化”を図っていきたい」と構想を語る。ジャストシステムの最大の強みは、30年にわたる一太郎で培ってきた日本語処理技術だ。それを元にしたフリーアンサーからのテキストマイニングや、調査票の設計を文章構造から自動的に生成するしくみ、さらには配信前のチェック時に日本語校正技術を活かしてさらなる自動化を進める、といった拡充が考えられるという。
米ハーバード大学ビジネススクールの名誉教授だったセオドア・レビットはかつて、自動車や航空機の普及により衰退の一途をたどった米国の鉄道会社に対し、その理由を「鉄道会社は自社の事業を鉄道事業として捉えており、輸送事業として考えることができなかったからだ」と指摘した。
これに対して日本の近代私鉄のビジネスモデルは、阪急電鉄の創始者・小林一三氏が開発した「沿線開発モデル」だ。沿線で住宅開発を行い、ターミナルには集客の拠点として百貨店を設置。さらに鉄道を使って出かける場所として、歌劇場、野球スタジアム、温泉や動物園などを次々と創りあげていった。これにより鉄道の乗客を創造したのだ。
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