■「誰でも手軽にネットリサーチ」を目指す
「ファストアスクを開発した我々の狙いはズバリ、“ネット調査のしくみのコモデティー化”です」。インタビュー冒頭から核心を責任者は語り出した。
同社は一太郎をはじめとするパッケージソフトを多数発売している“モノ作り”の会社である。その業務の中で様々な必要が生じ、自身がネットリサーチ各社に調査を依頼してきた。その結果、「ネットリサーチは意外と便利ではない」という思いが高まっていったのだと言う。
ネットリサーチの業務フローは、調査設計→モニターのスクリーニング調査(本調査回答者の抽出)→本調査→集計→分析となる。一連の流れの中で感じた不満は、「確かに調査そのものは短時間で回答が得られるが、その他の部分で調査会社の担当者など“人”が介在する部分が多く、面倒なやりとりと時間がかかってしまう」ということだったという。
「それならばいっそ、自分たちで“しくみ”を作ってしまい、セルフサービスで行えるようにすればいいのではないかと考えた」。
これは、流行りの“クラウドサービス”とも言い換えられるだろう。調査票の設計は画面上でユーザーが自分自身で行える。モニターの抽出ももちろんできる。回答結果は自動的に集計される。分析レポートの作成は請け負わない。徹底した“しくみ化”を図っているのである。 人手を介する部分は唯一、調査票配信前のチェックのみ。調査票の質問の設計や表現に問題がある場合はクライアントに指摘する。人が関わるプロセスを簡略化しているからこそ、その部分は精緻に行うというポリシーだ。
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