分裂するアメリカ 渡辺将人著
2010年から11年にかけて、米国で二つの草の根運動が起こった。保守派のティーパーティ運動と、ニューヨークから始まったリベラルなウォール街占拠デモは、主張の中身こそ違うが、「反ワシントン」、つまり政治に対する不信がその根源にあった。しかし彼らの怒りは必ずしも貧困への怒りではなく、政府の大きさや税の使用範囲をめぐる「公」やコミュニティの概念をめぐる理念のズレにあると著者は分析する。
保守派を分断する「小さな政府」、リベラル派を分かつ銃の所有や人工妊娠中絶問題など、経済的な格差や旧来の人種対立よりも「理念の対立」で分裂が深化する現代米国。気鋭の知米派若手学者が丹念な現地取材を基に論考する。
幻冬舎新書 882円
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