人生の科学 デイヴィッド・ブルックス著/夏目大訳

人生の科学 デイヴィッド・ブルックス著/夏目大訳

先端的学問を、生活や暮らしの中のストーリーに取り込んで学ぼうとする手法は、米国のほうが本家なのかもしれない。本書は、脳科学、心理学、行動経済学、哲学などが現在行き着いた新しい成果を織り込みつつ、ジャン=ジャック・ルソーばりの「理想の生き方」をかみ砕いた形で考えさせる筋立てに仕上げている。

主人公は、ハロルドとエリカという、円満な両親に育まれた男性と複雑な家庭育ちの女性。二人の誕生から、青年期、出会いと結婚、壮年期、老年期、そして最期の瞬間までをエピソード豊富にたどる。結局、二人は「満たされた幸福な人生」を過ごすことができる。節目において誰もが強いられる「無意識の選択」に成功するからだ。どの他人とどうかかわるか、感情をどう制御するかが、人生の成功において重要な要因となることも強調される。

著者はベストセラーを連発する米有力紙の硬派のコラムニスト。男女や親子関係の機微にも通じている。

早川書房 2415円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 就職四季報プラスワン
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「未来を知る」ための読書案内<br>ベストブック2021

先を見通せない日々が続きますが、本を開けばアフターコロナ時代のヒントがあふれています。本特集では、有識者や経営者、書店員らが推薦した200冊を掲載。推薦数の多い順にランキングしました。あなたにとっての珠玉の1冊を探してみてください。

東洋経済education×ICT