「確認書をお願いしてまで組織を大きくすべきか」 党内からも疑問の声、参院選の候補者選びで国民民主党が自ら掘る"墓穴"
なお、こうした問題について同党の伊藤孝恵広報委員長は、日本大学の西田亮介教授と共演した22日配信の動画で“個人の意見”とことわったうえで、「確認書をお願いしてまで組織を大きくすることが正しいことなのか」と疑問を呈した。
そして、昨年の衆院選で国民民主党の政策が支持され、躍進したことを踏まえて、「私たちの政策を何の濁りなく言えるのであれば、無名でもいいから逸材を探してくる、そして仲間を増やしていく」ことを考えていたが、「そう甘いものではない」と批判されたことを打ち明けている。
玉木氏が見落としている「比例区の盲点」
昨年の衆院選の勝利の流れを止めないという観点からは、伊藤氏の考えはまったく正論だ。ましてや冒頭で述べたように、石破政権は国民の支持を回復する見込みはほとんどなく、与党が惨敗する可能性は高いうえ、ほかの野党の勢いもいまいちの現在、国民民主党は“難なくやれば”、次期参院選で大躍進するに違いなかった。
にもかかわらず、なぜあえて「貧乏くじ」を引こうとするのか。20日の会見で玉木氏は、「比例区の党内での争いは熾烈で、疑念があって説明しないと、当該候補者に(票が)入らない」と述べ、「1万票、2万票で通る世界ではない、舐めないでいただきたい」と断言した。だが、これもミスリードだ。
まず候補者への票が少なくとも、党が獲得した議席が多ければ、個人票が少なくても当選する。例えば2013年の参院選では公明党の新妻秀規氏は2万6044票で当選し、2016年の参院選では日本共産党の武田良介氏が2万3938票で当選している。また2019年の参院選では、公明党の塩田博昭氏が1万5178票で当選した。
玉木氏は「さらに10人程度を擁立する」と述べたが、知名度のある山尾氏を“沈める”ことは困難。だからこそ、山尾氏は2018年に離婚したときに復氏した「菅野姓」ではなく、2021年に政治を“卒業”したときから使用しなくなった「山尾姓」を使うことにしたのだろう。
国民民主党に票を投じようが、ほかの候補に票を投じようが、結果的に国民民主党の議席数が増えることになり、山尾氏の当選の可能性が高まる。山尾氏の擁立は、良識ある国民民主党支持者に重い決断を強いることになる。
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