「確認書をお願いしてまで組織を大きくすべきか」 党内からも疑問の声、参院選の候補者選びで国民民主党が自ら掘る"墓穴"
また国民民主党は同日、名前と職業を偽って不倫をしていた平岩征樹衆院議員の離党届を受理したが、同じく不倫問題で「役職停止3カ月」の処分にとどまった玉木氏との“バランス”を考慮したためか、最後まで離党勧告や除名といった厳しい処分は行われなかった。
そして「無期限の党員資格停止」の軛(くびき)から解放された平岩氏は、衆議院の解散あるいは任期満了まで、既存政党に参加する以外の制約を受けることはなくなった。
見え透いた“アリバイ作り”に党内からも疑問符
4人の公認内定が発表される前日の5月13日の会見で、玉木氏は党の理念や重要政策への賛成を約束する「確認書」を比例区の立候補予定者と交わす考えを表明した。そして「(擁立を)認める基準を明確にし、国民にもしっかりと公表していく」と述べた。
だが、“アリバイ作り”であることは否めない。
実際に「確認書」では「党として合意した事項に反する行動はとらない」と約束させ、公認内定後にそうした行為が発覚すれば公認内定取り消しなどの処分を甘受し、議席を得た後に離党する場合には議席を党に返上させることを明記。「確認書」には憲法議論や原発政策、「命に係わる政策分野」といった、山尾氏と須藤氏をターゲットにしたとしか思えない箇所もある。
しかし、こうした「確認書」には法的拘束力がなく、どこまで実効的かどうかは不明だ。実際に山尾氏は5月15日にX(旧Twitter)に「女系天皇の選択肢を排除する進め方は間違っている」と投稿し、「男系男子を揺るがせのないものにしなくてはならない」(榛葉賀津也幹事長)という国民民主党の考えから大きく逸脱した。
玉木氏は20日の会見で、「有識者会議で悠仁親王殿下までは皇位継承順位が決定しているが、その後は別次元の問題だ」として山尾氏のポストを表面的に擁護したが、「悠仁親王殿下以降を先取りして議論すると、ようやくまとまりかけたものがまとまらなくなり、皇位の安定継承の議論にマイナスになる」と付け加えた。
これは事実上、山尾氏への牽制にも見えるが、本稿執筆時点で山尾氏の当該ポストは削除も訂正もされていない。
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