40歳の転職で「年収減」は注意したほうがいい 即戦力の価値が年収として評価される

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コンサルファームのどの立場でのオファーかはわかりませんが、重要なのは「今後、どの程度、待遇が改善される可能性があるか」です。そのうえで現在の職場での可能性と比較検討してください。両社の上層部の待遇を比較することも、将来の伸びを見る意味では有効です。

コンサルにせよどこにせよ、転職したからといって「それで終わり」、という打ち止めはありえません。つねに「その次の一手」を考えるべきです。次の選択肢が閉ざされてしまうような打ち止め感のある転職は、年齢がいくつであろうと危険です。

今後、20年以上にわたり仕事を続けるでしょうから、外部要因(会社都合など)や内部要因(ご自身の興味やライフスタイルの変化など)による転職という事態を念頭に置くべきです。

まったく新しいことをやるわけではない

最後に年齢的にコンサルへの転職はどうなのか、です。コンサルの職務内容は現在の経験・スキルを駆使するものなので、その点は躊躇する必要はありません。当然、仕事のやり方や見せ方には違いはありますが、ベースの部分がきちんとしていれば問題はありません。

特に事業再生や事業承継がメインということですから、質問者さんのようにいろいろな経験を持った方がやるべき仕事だとも考えられます。

また将来の発展性について気にされていますが、悩む必要はありません。転職しようとしなかろうと、その次につなげられるかはそこでの頑張り次第です。今の会社にいたら絶対に安定していて、コンサルだと絶対に定年まで勤められない、ということではありません。キャリアには「絶対」ということはないのです。

会社というハコはどこであれ、よい結果を出し、他社でも通用する経験とスキルを積み重ねていけば必ず次にはつながるので、過度な心配は無用です。

世間での一流や有名が、必ずしも自分にとってベストの場所ではないということは、本連載で繰り返し申し上げているとおりです。自分個人のブランドでキャリアは切り開くものです。過度な躊躇は不要で「成長性と将来性で選ぶべき」という結論になります。

周りから紹介をされると、今回の転職が唯一の選択肢のように感じてしまいがちです。しかし、そんなことはありません。冷静に比較検討をしてください。転職にかぎらず、どんな意思決定においてもそうなのでしょう。40歳とはまだまだキャリアの途中です。今後の長距離を生き抜くためにも、ぜひ「その後」を見据えた意思決定をされ、末永く活躍されるよう応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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