「消費税で家計が疲弊し、企業は利益を貯め込む」知日派ジャーナリストが嘆く日本の残念な状況

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今こそ、2020年のスタンスを復活させるべき時だ。自民党は現在非常に脆弱であり、多くの参議院議員が、連立与党である公明党と同様に、独自の期間限定減税案を提示するよう党執行部に求めている。

しかし、自民党幹部は、減税の財源を他の増税で賄わなければ無責任だと主張している。自民党の財政タカ派を動かすもう一つの要因は、財務省が、一度税率を引き下げると、再び引き上げるのが政治的に困難になることを懸念していることだ。

4月下旬、大きく意見が分かれている立憲民主党は、家庭で消費する食料品に対する8%の課税を基本的に1年間限定で一時的に撤廃することを求めた。野田首相や他の党幹部は、これが譲歩の限界だと考えているようだ。財務省の試算によれば、この措置により年間約5兆円の税収が失われるとのことだ。

消費税は日本ではうまくいかない

一方、国民民主党は、時限的に消費税率を10%から5%に半減させ、その財源を国債発行によって賄うことを主張している。自民党と同様に、国民民主党も大企業への増税には断固として反対の立場だ。

世論調査では、有権者の間で減税に対する支持は根強いものの、それが必ずしも減税を主張する政党への支持に結びついていないという現状がある。

多くの国において、消費税は優れた税制と考えられる。しかし、日本はそうした国の一つではない。なぜなら、消費税は、数十年にわたって、実質的な可処分所得を抑制させ、家計から企業へと所得を移転させる政策を助長してきたからだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事