ここで描かれているとおり、順調な受験生ほど、一気に成績が下がってしまう危険性があります。

結局、勉強の本質は「できないところができるようになる」ということです。そしてそのためには、苦手だったり、精神的にどうしてもやりたくないと逃げている分野にも触れなければなりません。できないところとしっかりと向き合う必要があるわけです。
苦手な科目と向き合うと全体の点数は下がるが……
そして、苦手な科目や不得意な分野と向き合うと、失敗してしまったり、点数が一度下がってしまいます。好きな科目・得意な科目の勉強を一旦ストップさせて、成功ではなく失敗に目を向けるわけですから、精神的にも不安定になりますし、勉強時間も短くなってしまいます。
例えば「数学が得意!数学なら何時間でも勉強できる!」という受験生がいたとすると、数学の勉強をしていれば、一定の範囲までは点数が伸びていきます。
でも、この受験生が苦手な英語の勉強を本格的にやろうとすればするほど、勉強のやる気が出なくなるうえに、数学に充てていた分の勉強時間を英語に費やすことになるので、一時的に数学の成績が下がって、総合得点も下がってしまう可能性が高いのです。
でも、この受験生が数学だけをずっとやっていればそれで合格できるかというと、そんなことはありません。数学だけやっていれば、途中までは順調に伸びてはいくはずですが、数学の点数だけでは頭打ちです。
一度数学の勉強をストップして、数学の点数が下がることを覚悟してでも、苦手な英語にアプローチする必要があります。点数が一時的に下がるかもしれないし、勉強のモチベーションが下がってスランプになってしまうかもしれないけれど、それでも苦手な分野にアプローチしなければならないのです。
これは、科目という話でわかりやすく解説をしましたが、実際は科目の中にも、得意な分野や苦手な分野があります。英語の中でもリスニングは苦手だとか、国語の中でも漢文はやる気が出ないとか、分野ごとに得意不得意はあるものです。
そして、不得意であり、自分の伸び代になっている部分ほど、攻略しようとするタイミングでは総合的な点数で見ると、短期的には点数が下がってしまうものです。だからこそ、上がったり下がったりを繰り返している受験生のほうが健全に成長していると言えるのです。
一時的に点数が下がることを恐れてはいけませんし、親御さんや先生も、「なんで点数が下がったんだ」と簡単に責めてはいけないと思います。むしろ、成績が下がったのであれば、それは上がるための準備期間になっているのかもしれないと捉えるべきなのです。
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