第2の「資さん」に?福岡のうどんチェーンが続々と《全国進出》する事情。カギは"うどんファミレス化"と"お得感"にあった!

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一方、3社の中でももっとも老舗の「因幡うどん」(1956年創業)は、少し毛色が違ってくる。

因幡うどん
因幡うどんをアップで。柔らかいながらも食べ応えがある太麺だ(筆者撮影)

「因幡うどん」は、もともと天神・渡辺通など市街地に強い。裏を返せば、そこまでくつろげるわけではない“普通のうどん店”(「うどんファミレス」ではない)だが、かつ丼・とり天丼や、かしわおにぎり・おはぎなど、うどん以外のメニューが充実している。

「因幡うどん」自体も魅力的だ。麺太め、柔らかめな博多うどん系統ではあるが、ごぼう天ぷらは、うどん鉢の上部を覆うような円状の衣に、スライスしたごぼうを閉じ込める独特の構造となっている。

おなじ「ごぼ天」でも、長さ14cmのスティック状の「資さん」や、ふわっと細長い「ウエスト」とも違い、出汁に溶け出した衣のとろみで、魔法のように“味変”が生じる。

「因幡うどん」の原宿出店は、福岡のうどんが「資さん」や「ウエスト」だけでなく、もっと多様性があることを、広く知ってもらういい機会ではないか。

おなじ博多うどん系統の「ウエスト高田馬場店」も閉店して久しく、因幡うどんは都心の博多うどん店として貴重な存在だ。ここは、首都圏の「資さん」や町田市の「ウエスト」と食べ比べて、麺・出汁・天ぷらの違いを観察するのもいいだろう。

なお「因幡うどん」は2016年に「力の源パートナーズ」が事業を引き継いでいるため、同社の主力事業「一風堂」(豚骨ラーメン店)とも供給網は共有できるはず。すかいらーくグループやファミレスが苦手とし、「一風堂」なら得意であろう都心・駅前やテナント立地で、博多うどん店としてどこまで戦えるか、健闘を期待したいものだ。

博多やりうどん
博多やりうどん。西日本鉄道の駅構内で営業を始めたという(筆者撮影)

共通するのは「お得感」だ

「うどんファミレス」「博多うどん店」など、各チェーンを特徴別に解説してきたが、共通するのが「お得感」だ。

資さん・ウエストとも「かけ400円」から頼める上に、丼などを適当に組み合わせても700円から1000円前後。資さんなら、ミニ肉ごぼ天うどん王+ミニ丼の「しあわせセット」が990円、ミニきつねうどんなどとミニカツとじ丼の「ミニ資セット」が780円だ。

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