第2の「資さん」に?福岡のうどんチェーンが続々と《全国進出》する事情。カギは"うどんファミレス化"と"お得感"にあった!
セットメニューの価格帯としては、ボリュームゾーンが700円~1000円強のファミレスとそこまで変わらないが、他で食べに行くとワンランク高い「和食」、うどんの提供=回転数で勝負する丸亀・はなまるだと充実していない「くつろげるテーブル席・ボックス席」という、ふたつの付加価値が加わる。
「和食が苦手」という人はそういないため、「うどんファミレス」なら大体の好みをカバーして、グループ来店でもそれなりにくつろげる。うどんの提供にとどまらず、味・価格・空間ともに「ちょうどいい場所」「選択して間違いない場所」として機能するからこそ、「うどんファミレス」は利用価値・お得感があるのだ。
このように、福岡発のうどんチェーンは、お得感の追求で人気を得て、多店舗展開への道筋をつけた店ばかりであり、「お客さんの方向を向いていた」からこそ、福岡県を飛び出しても通用するビジネスモデル強みを獲得できたのだ。
消費者としても、「安価で、多様な使い方ができる」のなら、足を運ぶ機会も増えるというものだろう。
関東で成功を得た「資さん」に、うちだ屋・因幡うどん・博多やりうどんの3社が「福岡県発のうどんチェーン」として支持を集めることができるか、注目される。
福岡から飛躍する「ネクスト・資さん」は出るか?
福岡県から各地に飛び出したうどんチェーンは、「資さんうどん」「うちだ屋」は「うどんファミレス」、「因幡うどん」は「都心型の博多うどん店」と、それぞれの役割が期待できる。福岡県から全国進出するうどんチェーンは、さらに現れるのだろうか? やや余談になるが、その他のチェーンについてもざっと見ていこう。
「資さん」の倍、全長32cmのごぼ天が名物の「博多やりうどん」も、日本流の出汁味が好まれる香港へのフランチャイズ展開を狙っているチェーンだ。
地元の私鉄・西日本鉄道の傘下にある「やりうどん」なら、中華圏・アジアに絶大な強みを持つグループ企業「西鉄物流」との連携で、これから「資さん」が進出できそうな地域に先に出店できるだろう。ごはん・丼物の提供はかなり縮小しているが、うどん単体の実力なら、海外でも十分に通用する。


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