第2の「資さん」に?福岡のうどんチェーンが続々と《全国進出》する事情。カギは"うどんファミレス化"と"お得感"にあった!

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ウエストの関東進出は失敗したが…

「四大うどんチェーン」の中では、「ウエスト」が2001年の関東1号店(千葉県鎌ヶ谷市)をオープン、この時点では中野泰宏社長(当時)が「2002年度は関東に5店出店、うどん業態への投資額を4倍に」「上場を目指す」とコメントしていた(2002年6月9日・西日本新聞より)。

その後は大幅に店舗を拡大したものの閉店が相次ぎ、首都圏では町田市(東京都)、八千代市(千葉県)など数店舗のみだ。

もう1社の「牧のうどん」は福岡県糸島市の本社工場から配送できる範囲のみに出店しており、今後とも目が届く範囲での店舗維持を続けるだろう。

津田屋官兵衛
豊前裏打会の総帥「津田屋官兵衛」のうどん(現在は休業中)(筆者撮影)
大地のうどん
「大地のうどん」。豊前裏打会の流派にあたる(筆者撮影)

近年の注目株として、40店以上もある「豊前裏打会」系列店に注目したい。北九州市小倉南区の名店「津田屋官兵衛」を中心とした個人店の集団で、新宿「萬田次郎」「大地のうどん東京馬場店」など、すでに都内でも食べることができる。

製麺して切った状態で保存・熟成しているという細麺は、独特のコシとモチモチ感があり、「福岡といえば“やわ麺”」の固定観念を覆す。ウルメいわし節などをふんだんに使ったダシの香りも十分にインパクトがあり、「福岡県発のうどん」として、もっと知られてほしいものだ。

あずみうどん
「あずみうどん」のうどん。マカロニサラダなどが無料で食べられる(筆者撮影)

小麦の一大産地である福岡県南部・筑後地方の「筑後うどん」にも注目したい。この地でのうどんは、みそ汁など汁物と同様に扱われていたようで、「ふんわり粘りゴシ」といわれる柔らかめ、太めの麺は出汁をよく吸う。

代表格の「あずみうどん」(大刀洗町)は太麺で、うどん一杯でもかなりの満足感がある。しかも、この店の名物「マカロニサラダ」も含めて、数種類のおかずが取り放題! 筑後ではラーメン店でも「おかず無料・取り放題」を掲げる店があるといい、他地域でもこういったスタイルの店が欲しいものだ。

これまで「讃岐うどん」「福岡県のうどん」が、全国展開への切符を掴んだ。「資さん」の勢いが続くいま、他のご当地うどんが全国展開への道を掴むことはあるのだろうか。この先の勝負を見守っていきたい。

【もっと読む】「福岡ではウエストと2強→競争激化で低迷」うどんチェーンの「うちだ屋」。ホリエモン顧問の会社が買収した店は、一体どこが魅力なのか? では、堀江貴文氏の関連企業に買収されたことが話題となった福岡県の人気うどんチェーン「うちだ屋」について、ライターの宮武和多哉さんが取材、豊富な写真とともにその魅力や課題を紹介している。
宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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