脳外科医が見落としていた…転院で発覚した「脳動脈瘤」の手術を受けた結果

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

法定の健康診断はもちろん、人間ドックですら検査対象は首から下であり、脳ドックを受診する人は頭痛など具体的に何らかの症状を抱えた人に限られるというのが実態だろう。

自分が経験したことを記事にすることで、世の人々、中でも会社の健康診断からも逃げ回っているような、一家の家計を支えている現役世代の人たちに、脳ドック受診の重要性を訴えたい――。そんな無邪気な動機で取材を始めた。

破裂を防ぐ4つの治療法とは

クリッピング術イメージ(画像:メドトロニック)

現在、未破裂動脈瘤の破裂を防ぐ治療法は4通りある。最も古典的な方法は、頭蓋骨を開けて瘤の付け根部分をクリップではさみ、瘤に血液が流れ込まないようにするクリッピング術。根治性が高い一方、開頭を伴うので患者側の身体的負担が重い。合併症も起こりやすい。

そこで、30年ほど前に登場したのが、カテーテルを使って瘤の部分に細いコイルを詰め、瘤の中の血液を固めて血栓化させるコイル塞栓術(そくせんじゅつ)である。

コイル塞栓術イメージ(画像:メドトロニック)

ただ、この方法だと、瘤の付け根が広いと詰めたコイルが血管内にはみ出してきてしまう。そこで瘤の付け根部分の血管に、網目状のステント(管)を置いて落ちてこないようにする方法が登場した。

コイル塞栓術は開頭しないので、クリッピング術に比べると患者の身体的負担は軽いものの、再発率の高さが指摘されていた。そこで登場したのが、筆者が受けたフローダイバーター留置術である。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事