富士山噴火で「火山灰」4.9億㎥の戦慄。2時間で都市機能はマヒ、必要な備蓄は「大地震」以上と識者

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まず、影響が出るのは市民の足である鉄道だ。

「0.5mm程度積もっただけで地上路線の運行は停止せざるを得ないでしょう」(同)

火山灰がレールを伝わる電気信号を遮断し、信号機や踏切を制御する装置に誤作動を起こす恐れがあるためだ。

火山灰が降っている間は見通しがきかず、車の運転も困難になる。たとえ、降灰が止まっても道路に火山灰が1mm以上積もった場合、車が出せる速度は30km程度。視界不良やスリップの危険性から渋滞が発生する。

車の運転も困難になる。道路に火山灰が1mm以上積もった場合、車が出せる速度は30km程度。視界不良やスリップの危険性から渋滞が発生する。

帰宅困難者が大量に

電車が止まり、バスもタクシーも使えなくなれば、日中であれば、都心は帰宅困難者であふれるだろう。

再開までの道のりも、遠そうだ。

「鉄道の運行を再開するにはレールに積もった灰を人海戦術で除去するほかない。しかし、公共交通機関が止まった状態で首都圏の鉄道網を維持できる人員を集められるのか、疑問です」(同)

さらに心配されるのが、帰宅困難者たちの状況だ。

交通の手段がなくなり、徒歩で帰宅しようとする人々は、降り注ぐ火山灰にまみれることになる。

火山灰は鼻やのど、気管支、肺などを刺激し、呼吸がしづらくなる。特にぜんそくなどの呼吸器疾患を持つ人は、発作を起こす恐れがある。

火山灰には「火山ガラス」の破片が多く含まれており、目に入れば、角膜を傷つける恐れがある。鹿児島出身で降灰を経験したことのある男性は、「目がチクチク痛かった。ゴーグルで目を覆わないと防げない」と話す。

「マスクは必須ですし、コンタクトレンズを入れているなら、外したほうがいい。目を守るためのゴーグルは事前に準備しておかないと、対応は難しいですし、マスクは品切れになってしまうことも予想されます」(藤井名誉教授、以下同)

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