月1400円で10GB+50マイル、JALモバイルが見せた"航空会社も利用者もおいしい"見事な「マイルの出口」戦略の裏側

ポイ活に勤しんでいる人にとって悩ましい問題の1つが「どの経済圏に属するか」という点ではないだろうか。その悩みを大きくさせるかもしれない新サービスがスタートした。国内航空最大手の日本航空(JAL)が4月から開始した通信事業「JALモバイル」だ。
MVNO(仮想移動体通信事業者)のインターネットイニシアティブと提携し、10GBで月額1400円、25GBで同2000円という低価格が売りで、利用する料金体系に応じて毎月マイルが貯まる仕組み(10GBで50マイル、20GBで100マイル)になっている。
航空と通信というかけ離れた領域だが、JALの狙いは明確。頭打ちになっているフルサービスキャリアの航空事業以外への収益基盤の拡大だ。
JALが経済圏の拡大を急ぐ背景
JALの主力事業であるフルサービスキャリアの成長余地は乏しい。少子高齢化に伴い、国内線の市場は頭打ち傾向にあり、国際線もLCC(格安航空会社)の台頭により急拡大は望みにくい。こうした航空以外への収益拡大を模索したとき、手を伸ばしやすいのが「マイレージ事業」だった。
2022年に発表した中期経営計画のローリングプラン(修正計画)では、フルサービスキャリアは「安定的収益」という位置づけになり、「LCC、マイル・ライフ・インフラ事業領域を伸ばすことで成長を実現させる」(決算説明会・質疑応答資料)とぶち上げた。とりわけ「マイレージ・ライフスタイル」事業において2025年度に2019年比倍増となるEBIT(利払い前・税引き前利益)500億円を掲げ、大きな期待をかけていた。
同計画を達成するために、JALは次々とサービスをリリース。特典航空券などで活用でき、人気が根強いマイル獲得をフックに銀行・カード・決済などの金融領域に加え、ECモールや電気、光回線、そして今年4月からはモバイル通信と、その経済圏を拡大させている。
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