月1400円で10GB+50マイル、JALモバイルが見せた"航空会社も利用者もおいしい"見事な「マイルの出口」戦略の裏側

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JALモバイルの目玉の1つが、4つの行先候補のどこかに行ける国内線往復特典航空券「どこかにマイル」だ。

2016年12月に開始した「どこかにマイル」は、行き先が4候補の中からランダムで決まる仕組みで、8000マイル〜2万マイルが必要な国内の往復航空券を7000マイルで旅行することができる。どこに行けるかわからないミステリーツアー的な面白さも人気の理由だ。

JALモバイルの加入者は年1回、このサービスを1500マイルで利用できる。SNS上でも、「この特典が入会の決め手になった」という声は少なくない。

わくわく感を楽しむことができる「どこかにマイル」だが、裏を返せばこれは、航空会社側が空席の多い便・路線へユーザーを誘導するための仕組みともいえる。航空事業にとって逆風となるドル箱路線での無償利用を減らし、閑散区間や時間帯でのマイル消費へと導く存在というわけだ。JALにとっては収益メリットがある一方、ユーザーには“お得感”と“偶然の出会い”という体験価値を提供するサービス設計となっている。

巨人戦チケットは来月分の半分以上が受付終了

ほかにもこうしたマイルの新たな使い道が開拓されている。注目なのが「JAL Pay」や「プレミアム体験特典」だ。

JAL Payは1マイル=1円としてチャージし、店頭やECサイトでの支払いに利用できる幅広さが魅力だ。

JALプレミアム体験特典は、マイルを舞台鑑賞やスポーツ観戦、特別イベントなどへ交換可能。プロ野球の読売ジャイアンツの観戦チケットでは、9万マイルを超えるシートもあるが、5月分はすべて受付終了。6月も申込期限前にもかかわらず半分以上がすでに受付終了となっているほどの人気ぶりだ。

経済圏の拡大とともに、日常での「マイル発行力」は十二分に身につけたJAL。今後は“誰に、いつ、どこで、どう使わせるか”という「マイル消費力」が、経済圏の次なる成長を左右するカギとなる。

布村 昌俊 ライター

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ほむら まさとし / Masatoshi Homura

マスメディアを経て、現在は一般企業に勤務。学生時代からポイ活に励み、今まで貯めたポイント数は100万円分を超える。

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