大和証券は独立を維持できるか、格下げ阻止へリストラ加速

アジアの陣容は09年9月の750人から11年4月には1200人まで急増。海外全体では1900人弱から2440人まで増えた。年俸1億円超の幹部も多数引き抜き、「アジア人材市場のインフレを過熱させた」と語り草になった。

ところが、この強化策が裏目に出る。「拡張のタイミングが結果としてよくなかった」(日比野隆司社長)。欧州債務危機などによりアジア株の売買や証券発行が低調で、先行投資負担が重くのしかかり、アジア地域の経常損益は今第1~3四半期累計で146億円の赤字となった。海外全体の赤字は10年度が215億円、11年度第1~3四半期累計で232億円に及んでいる。

危機感を強めた大和は1月末、11~14年度の販売管理費削減計画を昨年10月末発表時の年間400億円から600億円へ上積みした。うち335億円を海外拠点の人員500人削減で賄い、190億円をシステム関連費の圧縮で、残り75億円を不動産費削減などで対応。削減額の大半の500億円を12年度中に達成するとしている。

格下げ回避の成否はこのコスト削減策に懸かっているといっていい。

リストラの目玉である海外は、今期中に500人削減のメドをつける。海外全体の2割に相当する削減人数はアジアと欧州でほぼ半々になる。欧米に比べたアジアの相対的強化は変わらないが、「業務の効率性を精査し、必要、不必要をきっちり分けていく」と小松幹太執行役員は話す。株式デリバティブ業務はワラントを除き撤退。アジア企業の証券引受業務も大幅縮小の方針だ。本部機構も極力スリム化する。一方、アジア株の売買仲介やM&A仲介業務など日本の顧客の需要が多い業務はできるだけ戦力を維持する。


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