「徐行」「緊急」の標識が読めない? 安易な《外国人トラックドライバー》の導入は“あまりに危険”であることを裏付ける「2つのリスク」
運送業者が特定技能で外国人材を採用するには、国土交通省の認証制度を取得していることが条件となるため、はなから零細事業者は対象外となる。もっともトラック業者の99%は従業員300人以下なので、コストと時間をかけて手厚い教育を行える会社は決して多くない。
「見切り発車を防ぐために、独り立ちさせるまでに実施する教育の時間とカリキュラムについて、もっと厳しいルールをつくったほうがいいでしょう」とAさんは指摘する。今後は、手厚い事前教育を強制的に義務づける仕組みづくりが求められるだろう。
魅力のない会社に人は集まらない
こうしたハードルを軽減させる方法がある。留学生を優先的に採用することだ。多くの留学生はN3以上の日本語力を持っており、日本の交通文化にも慣れている。教育にかかる負担は大幅に抑えられるはずだ。
ただし、給料は魅力的にしなければならない。初任給は最低でも30万円以上を提示する必要があるだろう。
「30万円なんて高すぎる!」と思われた方は認識を改めていただきたい。外国人材を安く雇える時代は、とうの昔に終わっている。日本人が魅力を感じない仕事に、外国人が就きたいと思うはずがない。入社後の教育を考える以前に、給料面で魅力を示せなければ、外国人材の受け入れ自体がそもそも難しいことは強調しておきたい。
トラックドライバーは、2030年に約21万人不足すると予想されている。このままでは、私たちが享受している利便性が維持できなくなるおそれがある。
しかし、ドライバー職に関しては、安易に「外国人で数を埋められる」と考えるべきではない。社会の利便性と安全性を天秤にかけることは許されず、何よりも安全の維持を最優先にすべきである。
外国人ドライバーの活用は、慎重のうえにも慎重を期して臨まなければならないのだ。
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