「徐行」「緊急」の標識が読めない? 安易な《外国人トラックドライバー》の導入は“あまりに危険”であることを裏付ける「2つのリスク」
これに関して、交通事故総合分析センターが公表した統計データがある。このデータによると、レンタカー運転中の事故率は、居住外国人で日本人の3.9倍、訪日外国人にいたっては5.5倍も高いという。

これはあくまで観光目的でレンタカーを運転したときのデータであり、職業ドライバーのケースにそのまま当てはまるわけではない。とはいえ日本の交通文化への慣れが、事故率に大きく関係しているのは間違いないだろう。
加えてトラックの場合は、車高があって死角も多いので、運転の難易度が格段に上がる。何年も運転経験がある日本人でも、大型車を運転すると最初は頻繁にミスを犯すという。母国と交通文化が違う外国人であれば、慣れるまでにさらに時間がかかるのは言うまでもない。
そのため免許を取得した後も、日本人以上に手厚い運転教育を行う必要があるだろう。業務に必要な免許を取っても、それだけで安全運転ができるようになるとはかぎらないからだ。
トラックドライバーにも「高い日本語力」は必要
特定技能の要件として、タクシーとバスが日本語能力試験N3レベル(上から3番目)を求められるのに対し、トラックドライバーはN4レベルでいいことになっている。乗客との意思疎通が必要なタクシーやバスに対し、トラックドライバーにそこまで高い日本語力は必要ないということなのだろう。
しかし、トラックドライバーとして実際に業務にあたるときに、N4レベルのままで仕事を円滑にこなせるはずがない。「トラックドライバーに高い日本語力は必要ない」という考えは、明らかに間違っている。
たとえば、N4レベルだと未知の交通漢字が相当ある。運転中に「徐行」「緊急」「避難」といった注意書きを見ても、おそらく意味がわからないだろう。

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