ノーベル賞学者を支えた「浜ホト」の技術力 

超微弱な光を検出する光電子増倍管とは?

ノーベル物理学賞受賞の喜びを語る梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(写真:REUTERS/Issei Kato)

2日連続で全国を沸かせたノーベル賞の日本人受賞。6日、物理学賞の栄誉に輝いた東京大宇宙線研究所長の梶田隆章さんは謙虚に「チーム力」を強調し、観測を重ねた岐阜県飛騨市の「スーパーカミオカンデ」の関係者らをねぎらった。スーパーカミオカンデは、受賞理由である「ニュートリノに質量があること」を突き止めた施設。その「目」に相当する光電子増倍管を手掛けたのは静岡県浜松市の電子部品製造業、浜松ホトニクスだ。

梶田さんの師匠である小柴昌俊さん以来、2世代の研究環境を支えた同社の技術力とはどのようなものなのか。

浜松ホトニクスの袴田敏一さん(左)と梶田隆章さん。1995年撮影

「3年ほど前から梶田先生が受賞しそうだという予感がして、それなりに準備はしてきた。実際に決まるとやはりうれしい。ご本人には電話がつながらないのでお祝いのメールはしておきました」

浜松駅前のビルの一室で、同社顧問の袴田敏一さんは前夜の興奮を振り返った。

袴田さんは「梶田さんは本当に仕事に厳格な方」と評する。小柴さんや故・戸塚洋二さんにも同じ気質を感じたという。科学者たちの「厳格」な要求を、社内の技術者たちに伝え、世界最高水準の観測機器を納めるのが袴田さんの役割だ。

浜松テレビとして創業

テレビ黎明期の1953年、「浜松テレビ」という名で創業した同社は、光を電気に変換する光電管の製造から出発。「未知未踏」に挑むという起業精神から水中カメラや放射線シンチレーター、そして当時さまざまな化学分析機器に使われ始めた光電子増倍管の開発にも着手していった。

1979年、東大理学部教授だった小柴さんが、物理観測実験に使う大口径光電子増倍管の開発を同社に依頼した。それが初代カミオカンデ用の機器だった。

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