東武のSL大樹「電車の運転」とどのくらい違うのか 機関区のベテラン社員が語る「腕の見せどころ」

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眞壁機関区長が言うように、機関士の腕の見せどころは「いかに石炭や水を使わずに走るか」。実際、SL大樹が運行を開始した2017年からすると、だいぶ機関士たちの腕前は上がってきているのだとか。

最初のころは、1往復で石炭を1トン使っていたところ、現在では0.5トンほどにまで少なくなった。石炭の使いどころ、つまり火力を上げるべきタイミングがわかるようになってきたことで、ムダが減ったのだ。

東武鉄道 SL 石炭
機関庫に積まれている石炭。オーストラリア産が使われている(撮影:鼠入昌史)
【写真の続き】東武鉄道が日光・鬼怒川エリアで毎日運行している蒸気機関車「SL大樹」。この日は「C11形123号」が出番。午前中の鬼怒川温泉駅までの1往復を終え下今市駅に戻ると、複雑な動きを繰り返して向きを変える。その一部始終を見る

機関士の腕の見せどころ

なお、1往復で使う石炭は0.5トンだが、水はなんと3トンも消費するという。下今市―鬼怒川温泉間の往復は約25km。その間に、6トンほど入る水タンクは半分まで消費されてしまう。そのため、SL大樹は1往復するごとに水を補給しているのだ。

蒸気機関車という巨大な鉄の塊を動かすにはこれほど多くの水と石炭、そして車両を整備する人たちや機関士たちの力が必要なのである。

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鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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