東武のSL大樹「電車の運転」とどのくらい違うのか 機関区のベテラン社員が語る「腕の見せどころ」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「私は一時期SLから離れていまして、以前は汽笛の音を聞いただけでも誰が運転しているのかわかりました。それくらい、個性が出る乗り物なんです」(眞壁機関区長)

こうしたところからも、SLの運転の難しさ、また裏返しとしてのおもしろさが伝わってくるというものだ。ちなみに、“個性”は車両や人だけでなく、エネルギーを生み出す肝心要、石炭にもあるのだとか。

東武鉄道 SL 運転台
石炭をスコップですくって火室に放り込むのが焚火担当機関助士の仕事だ(撮影:鼠入昌史)

使っている石炭にもクセ

「現在使っているのはオーストラリア産の石炭です。以前はインドネシアの石炭とブレンドしていたのですが、それができなったので。産地によって燃えやすさが違ったり、また火の持ちが違ったり。産地が同じ国でも、どこで掘ったかによっても変わってきます」(大谷車両科長)

「オーストラリアの石炭は火の付きがやや悪いんですが、持ちがいい。インドネシアは火の付きがいいけど長持ちしない。だからブレンドしていたんです。ちなみに、国産、釧路の石炭を使ったことがあるのですが、ある意味で質が良すぎて、灰にならないくらいよく燃える……そのためいまは使っていません」(眞壁機関区長)

運転していない機関車でも火室の中はこの様子。保火で機関室は暑い(撮影:鼠入昌史)
この記事の画像を見る(27枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事